ギフトカルチャーとは何か

今年(2026年)の1月、私はインドのラジャスタン州ウダイプルというまちにある、Swaraj UniversityのShikshantarを訪ねた。

その1週間ほどの滞在でギフトカルチャーについて大いに学び、興味をそそられた。帰国する前日、Swaraj University(スワラジ大学)の主催者であるManish Jain(マニッシュ・ジェイン)に、Swaraj Universityが発行する冊子 Vimukt Shiksha の Reclaiming the Gift Culture(ギフトカルチャーを取り戻す)号(2009年2月発行)をいただいた。(Shikshantarの出版物一覧

その内容が大変に面白かったので、私が読んで面白いと思った部分を日本語に翻訳して公開することにした。

ちなみにShikshantarとは、Swaraj Universityの4つのキャンパスのうちの一つで、ウダイプルの街中にある「ラーニングセンター」である。冊子の裏表紙によると以下のようなものだ。

Shikshantarの入口

インドのウダイプールを拠点とするShikshantar(シクシャンタール)は、現代の画一的な教育システムや思考のコントロールに疑問を投げかけ、真の「学び」と「生き方」を再定義するエネルギッシュな社会運動(Jeevan Andolan)。

Shikshantarはめちゃくちゃ面白いところだった。今日はテーマから外れるので書かないが、今度記事にまとめたい(という意思だけはある)。

さて、ギフトカルチャーは日本語では「贈与文化」という言葉が一番近いと個人的には考えている。今回の記事では、彼女ら/彼らが考えるギフトカルチャーとはなんなのか、を捉えることを目的に、この記事を作った。

以下、AI(NotebookLM)さんの助けも借りて、Reclaiming the Gift Cultureの中で描かれているギフトカルチャーとは何か、ということについてまとめていきたい。

以下AIより引用

ギフトカルチャー(贈与文化)とは、一言で言えば「寛大さ、思いやり、信頼、そして相互扶助」に基づいた人間関係や分かち合いのあり方のことです。

現代の経済システムが「自己利益の最大化」を目的とする「ホモ・エコノミクス(経済人)」という考えに基づいているのに対し、ギフトカルチャーは人間を「ホモ・ギフタス(贈与する人)」として捉え直し、自分たちが常に自然や他者から多くの贈り物を受け取っている存在であることを思い出させてくれます。

出典に基づき、ギフトカルチャーの主な特徴と魅力を分かりやすく解説します。

1. 「見返り」を求めない循環

ギフトカルチャーの核心は、見返りを期待せずに与えることにあります。

  • 「恩送り(Pay it forward)」: 受け取った贈り物を、贈り主に返すのではなく、別の人へと回していくことで、コミュニティ全体の価値が高まります。
  • 無記名の寄付(グプ・ダーン): インドの伝統では、受け取り側の自尊心を守り、贈り側の謙虚さを保つために、誰が送ったか知らせずに寄付する習慣があります。

2. 「物」よりも「関係性」を重視する

市場経済では「物」の売買で関係が完結しますが、贈与文化では贈与を通じて人間同士の絆を深めることが目的となります。

  • 真の富: 贈り物やボランティア活動は、お金では測れない「信頼、名誉、社会的なつながり」という精神的な富を生み出します。
  • 相互扶助: メキシコのオアハカにある「テキオ(Tequio)」という伝統では、コミュニティの共通善のために自発的に労働を提供し合い、お互いの幸福が自分自身の幸福に直結しているという意識で助け合っています。

3. 世界中に残る伝統的な形

ギフトカルチャーは新しい概念ではなく、世界中の多様な文化に根付いています。

  • マリ(アフリカ)の「ダマ(Dama)」: 人間性は「どれだけ持っているか」ではなく「どれだけ与えるか」で測られます。
  • インドの「セワ(Sewa)」: 見返りを求めない無私無欲の奉仕活動です。例えば、道行く人に無料で飲み水を提供する習慣などがこれにあたります。
  • ラダックの自給自足: 近代化以前のラダックでは、人々は互いに助け合うことが当然の生活様式であり、高い生活水準と幸福感を維持していました。

4. 現代に生きるギフトカルチャー

インターネットやテクノロジーの進化により、現代でも新しい形の贈与文化が広がっています。

  • Wikipediaやオープンソース(Linuxなど): 多くの人々が無報酬で知識や技術を提供し、世界中の誰もが無料でその恩恵を受けられる仕組みは、現代の巨大なギフトエコノミー(贈与経済)と言えます。
  • フリー・レストラン: 支払額を客自身が決める(あるいはすでに誰かが支払っている)「カルマ・キッチン」や「セバ・カフェ」といった取り組みは、見知らぬ人への親切を循環させています。

5. なぜ今、ギフトカルチャーが必要なのか?

出典は、ギフトカルチャーが「持続可能な暮らし」と「本当の幸福」への鍵であると説いています。

  • 自然との再接続: 自然は水や空気、肥沃な土壌を常に無償で与えてくれています。この「自然からの贈り物」を再認識することが、環境破壊を防ぐ第一歩となります。
  • 心の健康: 人間の脳は、他者を助けたり協力したりすることで喜びを感じるように「配線」されているという研究もあります。

ギフトカルチャーを実践することは、単に物をあげることではなく、「私たちは皆つながっている」という感覚を取り戻し、お互いを大切にし合う社会を自分たちの手で作り直していくことなのです。

以上

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