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いかしあうデザインの探求

論文「コミュニティガーデンがリジェネラティブな社会の実現に果たす役割と可能性」が掲載されました

サステナビリティ学科 明石修 准教授、田中 笑子 看護学部 看護学科講師とともに共著の論文「コミュニティガーデンがリジェネラティブな社会の実現に果たす役割と可能性」が、武蔵野大学しあわせ研究所紀要第8号(pp.104-124)に掲載され、一般に公開されました。日本においては、コミュニティガーデンは普及段階に入ったが、リジェネラティブな社会をつくるために大変有効な方法であり、論文を通じてその有効性を検討できたと思います。

論文を図解にしました

以下、タイトルと執筆者、Abstract(要旨)からはじめにまでを引用します

【査読論文】

コミュニティガーデンがリジェネラティブな社会の実現に果たす役割と可能性

明石 修(武蔵野大学 工学部 准教授)
鈴木 菜央(武蔵野大学 工学部 准教授)
田中 笑子(武蔵野大学 看護学部 講師)

要約

本稿は、コミュニティガーデンが「リジェネラティブ(再生的)」な社会の実現にいかに貢献しうるかを理論的・実践的に検討した論文である。Gibbons(2020)の「サステナビリティ・パラダイム」枠組みに基づき、既存研究をナラティブレビューし、環境・社会・健康の多面的効果を整理した上で、「ケア」「共創」「内面の変容」などの要素に着目する。武蔵野大学の屋上ガーデンでの実践も紹介し、個人と自然、地域社会の再生的関係性を育む場としての可能性を論じる。

1.はじめに

近年、特にサステナビリティの観点からコミュニティガーデンが持つさまざまな効果に関する研究が増加している。都市の緑地空間としての役割や、地域コミュニティの形成、環境教育の場としての意義などが指摘されており、その社会的・環境的価値は広く認知されつつある。

我々が所属する武蔵野大学の有明キャンパスにも「有明 rooftop コモンズ」という名称のコミュニティガーデンがある。そこでの実践を通じて、私たちはコミュニティガーデンが単なる都市農的空間にとどまらず、個人や地域の意識・関係性・行動様式に深い変容をもたらしうるという可能性を感じてきた。

本研究では、「コミュニティガーデンは、真にリジェネラティブ(再生的)な社会の構築に資する場となりうるのか?」という問いを立てる。その上で、Gibbons(2020)が提唱する「サステナビリティ・パラダイム」の枠組みに基づき、コミュニティガーデンの持つ意義や可能性を、既存文献のナラティブレビューを通じて再解釈することを目的とする。

特に、本稿ではこれまで十分に論じられてこなかった「内面の変容」や「ケア」「共創」といったリジェネラティブな要素に着目し、サステナブルな社会の実現を超えて、持続可能性の “その先” を展望する理論的視座を提示する。

以下ではまず、第2章において、環境・社会・健康・ウェルビーイングといった多角的視点から、コミュニティガーデンが現代社会におけるサステナビリティの実現にどのように寄与しているのかを、先行研究をもとに整理する。続く第3章では、リジェネラティブ・サステナビリティの理論的枠組みを踏まえながら、コミュニティガーデンに内在する変容的な可能性を考察する。最後に第4章では、コミュニティガーデンを再生的社会への「入口」として再評価し、その役割と今後の展望についてまとめる。

続きは、PDFをダウンロードしてぜひ読んでみてください。

コミュニティガーデンがリジェネラティブな社会の実現に果たす役割と可能性(PDF)